デジタルで変わることと変わらないこと
デジタルドローイングは、紙と鉛筆のかわりにペンと画面で描く方法です。取り消し、色の変更、拡大、レイヤーのように紙にはない便利な機能が多く、最初はずっと簡単に見えます。けれども、形を単純な立体として見て、比率を測り、光の向きを決めて明暗を分ける原理は紙とまったく同じです。機能が多いということは、かえって迷う材料が多いということでもあります。このガイドでは特定の製品やソフトのかわりに、どんな機材やソフトを使っても共通して知っておきたい考え方と習慣をまとめます。
画面で描いても形と明暗の原理は同じです。機材の種類、キャンバスの大きさと解像度、レイヤー分け、保存と体のケアをまとめました。
デジタルドローイングは、紙と鉛筆のかわりにペンと画面で描く方法です。取り消し、色の変更、拡大、レイヤーのように紙にはない便利な機能が多く、最初はずっと簡単に見えます。けれども、形を単純な立体として見て、比率を測り、光の向きを決めて明暗を分ける原理は紙とまったく同じです。機能が多いということは、かえって迷う材料が多いということでもあります。このガイドでは特定の製品やソフトのかわりに、どんな機材やソフトを使っても共通して知っておきたい考え方と習慣をまとめます。
デジタルで描くには、ペンの動きと押す力を読み取る機材が必要です。大きく三つの形があり、それぞれ長所と短所がはっきりしています。どれを選ぶにしても、押す力によって線の太さや濃さが変わる筆圧機能に対応しているかをまず確かめましょう。筆圧がないと、鉛筆のような強弱をつけるのが難しくなります。
デジタルの絵はピクセルという小さな点の集まりなので、最初に決めたキャンバスより大きく引き伸ばすとぼやけます。だからこそ、用途を先に決めて余裕のある大きさで始めることが大切です。印刷する絵なら、一インチあたり三百の点、つまり300dpiを目安に、刷り上がりの大きさに合わせてキャンバスをつくるのが一般的です。画面に載せるだけの絵なら、dpiより縦横のピクセル数が重要です。色空間も知っておくと役立ちます。画面は光の三原色であるRGBで色をつくり、印刷はインクのCMYKで色をつくるため、画面で鮮やかな色が印刷ではくすんで出ることがあります。印刷する予定があるなら印刷所の案内を確かめましょう。
レイヤーは透明な紙を何枚も重ねたようなものです。一枚ずつ別々に直したり隠したりできるので、うまく分けておけば修正がずっと楽になります。最初は次のように単純に分けるだけで十分です。
ソフトには何十、何百ものブラシが入っていますが、最初は鉛筆風のブラシひとつ、広く塗るブラシひとつ、やわらかくぼかすブラシひとつ、それに消しゴムくらいで十分です。ブラシを頻繁に替えると毎回結果が変わり、何が上達したのかわかりにくくなります。ほとんどのソフトには、手の震えを抑えて線をなめらかにする補正機能があります。長い線をきれいに引くのに役立ちますが、強くかけすぎると線が手に遅れてついてきて、もどかしく感じます。低い値から始めて少しずつ上げ、線の練習そのものは補正なしでもしておくのがよいでしょう。
デジタルの作業は一瞬で消えることがあります。作業中はこまめに保存し、レイヤーが残ったソフト独自の形式の元データを必ず別に保管しておきましょう。人に見せたりネットに載せたりするときは、PNGやJPEGのような一般的な画像形式で書き出します。PNGは画質が落ちず透明な背景にも対応し、JPEGは容量が小さいかわりに圧縮で画質が少し落ちます。書き出したファイルはレイヤーが統合されて直しにくいので、元データを上書きしないように気をつけます。大切な絵は端末の外にある別の保存先にももう一部控えておくと安心です。
デジタルの作業は画面を長く見つめ、同じ姿勢でペンを握り続けるので、目と手首と首に負担がたまります。二十分から三十分ごとに画面から目を離して遠くを見、一時間に一度は立ち上がって手首と肩をほぐしましょう。手首の痛みやしびれが続くなら、作業を休んで専門医に相談してください。
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